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これからの法改正の動き

副業・兼業の労災は本業と合算して給付支給へ

厚生労働省は、複数就業者が業務上、被災した際の給付額等を見直す案を労働政策審議会に示しました。

(1)複数就業者が被災した場合の問題点

1.給付額について
現行の制度では、複数の事業場で働く労働者が一方の事業場で被災した場合、当該事業場から支給される賃金をもとに労災保険の支給額が算定されていました。
たとえば、月収25万円のA社と月収10万円のB社の2社から合わせて35万円を得ていても、B社で業務上、被災して働けなくなると、B社の10万円をもとに給付額が算定されていました。

2.認定の基礎となる負荷について
複数の事業場のそれぞれの負荷のみでは業務と疾病等との間に因果関係が認められない場合、保険給付の対象とはなりませんでした。
たとえば、A社の労働時間が週40時間、B社の労働時間が週20時間の場合、それぞれの会社では長時間労働にはなりませんが、労働者としては実質的に時間外労働時間が月80時間となります(1か月を4週として計算)。
業務上の負荷を合わせて評価されない点が問題とされていました。

(2)見直しの方向性

1.給付額について
被災労働者の稼得能力や遺族の被扶養利益の喪失の補填を図る観点から、全就業先の賃金を合算したうえで給付額を決定することが妥当とされました。
その際、非災害発生事業場の事業主は補償責任は負いません。
また、通勤災害についても同様に、全就業先の賃金を合算したうえで給付額を算定することが妥当とされました。

2.認定の基礎となる負荷について
複数の事業場での労働時間等を合わせたうえで、負荷の評価を行なうこととされました。
その際、それぞれの事業場で疾病等との間に因果関係が認められない場合は、いずれの就業先も補償責任を負わない、とされました。

(3)法改正へのスケジュール

厚生労働省としては、早期に意見をとりまとめて労災保険法および徴収法の改正案に盛り込み、今通常国会での提出を目指します。

注目したい法改正の動向

  • 介護休暇、看護休暇が1時間単位で取得可能に
  • 厚生労働省は、現在半日単位となっている介護休暇、看護休暇の取得単位を1時間単位で取得できるよう取得の要件を緩和する案をまとめました。
    介護休暇は、要介護状態の家族が1人であれば年に5日まで取得できます。一方、看護休暇も未就学児が1人であれば同じ日数を取ることが可能です。
    厚生労働省では、育児・介護休業法の施行規則を改正する方向で検討を行なっています。
  • 確定拠出年金の使い勝手を改善
  • 企業年金や個人年金制度の加入可能要件の見直しと受給開始時期等の選択肢の拡大を検討していた社会保障審議会は、このほど確定拠出年金の改革案を提示しました。
    それによると、(1)20歳以上のすべての会社員がiDeCoに加入できるようにする、(2)確定拠出年金に加入できる期間を5~10年程度延長する、(3)確定拠出年金の受取開始年齢の範囲を5年程度拡大する、などとなっています。
    今通常国会に、確定拠出年金法の改正法案を提出する方針です。
  • 「停車」も危険運転として明文化へ
  • このところ、「あおり運転」など、悪質な運転に対して厳罰化を求める声が高まっています。
    現行の自動車運転処罰法では、「危険を生じさせる速度での運転」などの例示はあるものの「停車」については規定がなく、法律上の論点となっていました。
    そこで森雅子法務大臣は、「停車」を盛り込んだ見直しを法制審議会に諮問する方針を明らかにしました。
    法務省は、法制審議会の答申を受けて、今通常国会への改正案提出を目指します。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック

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